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木曜日、五時十分

大人のための童話, #5

Por ONNURI
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Sinopsis

『木曜日、五時十分』

ソウル・乙支路の古びたビルで、二十年以上、施設管理の仕事を続けてきたチョン・ドユン。
人々は彼を名前では呼ばない。「ドアを開けてください」「鍵をお願いします」――いつも用件だけが先に来る。

ドユンの手には、いつも二十四本の鍵があった。
扉を開け、壊れたものを直し、誰かが困らないように先回りする。
それが、彼の生き方だった。

けれど毎週木曜日、午後5時10分になると、ドユンは小さな駅へ向かう。
ホームの端の古いベンチに座り、手帳に短い言葉だけを書き残す。

彼が待っているのは、遠い昔に姿を消したユン・ソヨン。

カメラを手にしていた頃、ドユンとソヨンは、いつか一緒に海へ行くことを夢見ていた。
しかしソヨンは海外研修に旅立ったあと、突然連絡を絶った。
それ以来ドユンは、木曜日の午後5時10分に、駅へ通い続けている。

そんなある日、屋上で二十七歳の新人社員ソン・ソハと出会う。
風に誘われるように屋上へ来る彼女にも、ドユンには踏み込めない過去があった。

そして雨の日、ソハはひとつの古びた箱をドユンに差し出す。
箱の中には、長いあいだ届かなかった手紙と、一本のカセットテープ。

テープから流れてきたのは、もう二度と会えないはずのソヨンの声だった。

「あなたは、あなたらしく……生きてほしい」

止まっていた時間が、そこで初めて、静かに動き始める。

人は、過去を忘れることで前へ進むのだろうか。
それとも、忘れられないものを抱えたまま、それでも一歩を踏み出すことが「生きる」ということなのだろうか。

鍵を握り続けてきた男が、ひとつの鍵を手放すとき。
待つために座っていたベンチを、初めて通り過ぎるとき。

これは、長いあいだ誰かを待ち続けた一人の男が、記憶を捨てるのではなく、記憶とともに未来へ歩き出す物語。
静かな喪失と、遅れて届いた言葉が、もう一度人生を始めるための小さな一歩になる。

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Ficha Técnica

Editorial: Onnuri

ISBN: 9798235589025

Idioma: Japonés

Fecha de lanzamiento: 22/08/2026

Especificaciones del producto

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